【解決事例】遺産分割協議において数億円の代償金支払いを求められた事案について、約10分の1の支払いで済ませた事例

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相談内容

 ご依頼者のお母様につき相続が発生しました。共同相続人はご依頼者の兄弟姉妹でした。多岐に渡る遺産のうち、不動産についてのみ先行して相続人間で遺産分割協議書を作成しました。ところが、残りの遺産の分割について話し合う段階になって、共同相続人のうち1名が先行した遺産分割協議書の意味内容について、ご依頼者とは異なる解釈を主張して来たため、その対応について相談を受けました。

活動内容

 相手方となった共同相続人の主張によれば、先行して成立した遺産分割の内容が不公平であるため、不公平を是正するための金銭(代償金)として数億円の支払いを要求する、というものでした。

 ご依頼者としては、一定の解決金を支払うご意向ではあったものの、相手方の要求は高額に過ぎる金額でしたので、争うこととしました。加えて、相手方は、裁判を起こすという態度を示しながらも自らの主張内容を変遷させたりと方針がぶれている様子もありましたため、こちらの解決案の提示の仕方次第で、早期に解決できる見込みがありました。

結果

 ご依頼者が提示した金額の解決金を支払うことを条件に、裁判にもつれることなく、先行した遺産分割協議書の内容が有効であることの確認する合意を成立させることができました。加えて、残りの遺産の分割についても、ご依頼者の希望する内容の合意を成立させることができました。ご依頼から1年程度での合意解決であり、遺産規模や当事者の人数からすると比較的早期の解決が実現しました。

ポイント

 ご依頼者の言い分にはきちんと理屈が通っておりましたし、解決を急がなければならないという弱みもありませんでした。そのため、解決の場が法的手続に移行することや長引いてしまうことを相手方から示唆されても、堂々と受けて立つという姿勢を貫いたことが、結果的に比較的早期、かつ、経済的にも妥当な内容の解決の実現につながりました。要所要所でご依頼者と面談を行うなどしてコミュニケーションを取っていたことでご依頼者に信頼をいただき、相手方との交渉の押し引きの判断についてすべてお任せいただけたことも良い解決が実現した理由の一つとなりました。

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